報酬を目的としないアマチュアスポーツは、純粋に楽しむ目的の中で文化が育まれ、幅広く定着しているのが特徴です。
プロとは実力の差で比較されがちですが、スポーツを愛するという意味では、報酬を受け取るプロと差は大きくないといえます。
むしろ、好きだから始めたり続けている気持ちは、お金がモチベーションを左右するプロよりも時に上回ります。
楽しんで取り組むアマチュアスポーツ選手の姿は、競技人口の拡大に一役買っています。
プロ選手が憧れの的になるのは言うまでもないですが、しかしアマチュア選手も魅力を伝えたり、憧れの存在になることがあります。
例えば、市民野球のような機会は誰にとっても身近に感じられますし、本気で取り組む姿はプロもアマも関係なく格好良いものです。
そういう姿を見る子供たちは、自分もやってもたいと思うようになり、やがて選手としてプロの世界に進出する人が出てきます。
勿論、多くはアマチュアに留まりますが、それでも生涯を通じて楽しいみ続ける人も少なくないです。
オリンピックにおいては、元々参加資格がアマチュアに限定されていたほどです。
趣味で参加して楽しむことに喜びを感じる点が、現在のプロ中心のオリンピックとの大きな違いです。
スポーツの誕生そのものが、趣味を目的としたアマチュアリズムに基づくので、初期のオリンピックのあり方は必然だったといえるでしょう。
それが現在のようになったのは、競技の技術が上がり、競い合うことが目的に変化したのがターニングポイントです。
つまり、プロスポーツはどちらかといえば後発で、アマチュアスポーツにこそ歴史と伝統があるわけです。
日本国内においては、学校や企業にアマチュアスポーツ文化が根づき、健康的な体作りやリフレッシュと、コミュニケーションのツールにもなっています。
国民的なスポーツの野球は特にアマチュア層が厚く、高校では毎年全国大会が開かれるほど、アマチュアスポーツ文化が浸透している形です。
注目を集めた選手はプロの道が開けるので、限りなくプロに近いアマチュアといえなくもありませんが、プロとアマの間が断絶されていないのは良いことだと思われます。
アマチュアでも大会では本気が求められ、結果を出すことに期待されるので、競技だとアマチュアリズムは薄れている傾向です。
ところが、授業や休み時間などの子供同士のスポーツについては、今でも本来の意味に近いアマチュアリズムが息づいていると考えられます。